琉球民家

Architecture

民家は地域の気候風土を写してその地域のランドスケープをつくります。そこにしかない風と季節の中で先人たちが長い時間をかけて築き、淘汰されながら残った技術手法と地域ならではの素材で構成されるラントシャフトに出会うことは旅の喜びの一つです。

イメージは、1.5mくらいの低い防風石垣に囲まれた中に、フクキの屋敷林がさらに台風の時の防風林として立ち、その中にさらにヒンプンに守られて、シーサーが構える漆喰で固められた赤瓦屋根の平屋がある景色です。地域素材でつくられる民家は、その地域の素材色で統一され、集住する姿が美しいラントシャフトをつくります。

琉球民家

沖縄には中国起源の風水とは異なる、沖縄の伝統的な家相の教えがあります。沖縄の風土に適した家造りというより、普遍的な人間の住まいとして、最適の家造りを目指した、祖先の深い知恵の教えでのようです。屋敷の向きや門のあり方、トイレや炊事場の方角、一番座・二番座の位置など、そうした伝統的家相に則って建てられています。最も重要なのは、トイレの位置です。トイレは必ず、家の中心から北西の角でなければなりません。北西の角のトイレは、とても落ち着く場所になります。湿気がなく、いつもカラッと乾いていて、カビが生えたりしません。それほど掃除に気を使わなくても、いつも清潔で綺麗で、気持ちの良い場所になります。

沖縄の家相について以下に引用します。

床の間・仏間は、東・南東・南の窓からの光が、直接当たることが大切です。最も重要なのは、東からの陽光で、その光が床の間に当たることが肝要です。窓はできるだけ大きく、部屋は明るければ明るいほどよいです。窓の重要度は、東➡南東➡南の順です。ですから、床の間・仏間は、西の壁を背にして東に向けるか、北の壁を背に南を向けるかです。この床の間・仏間の状態は、家人の頭の働きに影響します。床の間・仏間に朝日が入ると、勉強や読書がはかどり、直感が鋭くなります。仕事運も上向きになるでしょう。

*この床の間・仏壇の向きは、『墓相』とも深い関わりがあります。実は、お墓の場合も、東~南東向きがもっともよく、西~北西向きがもっとも悪いのです。こうした方位の吉凶は、四神と方位の関係によって説明されます。すなわち、春を司り、生命の芽生えの象徴である東(青龍)の方角と、夏を司り、生命力の最盛期を象徴する南(朱雀)の方角が吉方とされ、秋を司り、老年と衰退の象徴である西(白虎)の方角と、冬を司り、死と停滞の象徴である北の方角を凶方としているのです。そして、墓が凶方を向いているのは、お家衰退の墓相と考えられています。「人の死に関わるお墓の方角だから、北や西に向けるべき」というわけではないということです。

https://ameblo.jp/sofianobara/entry-11968900683.html
おきなわ郷土村マップ

パッシブデザインとしてみると、通風促進と日射遮蔽がキーワードとなり、重厚な屋根の下に風通しのよい空間が守られ、日射遮蔽を徹底しながら得られた日影の空間を有効利用する姿が理想です。アマハシと呼ばれる軒下の中間領域は、アジアの建築の特徴の一つですが、その中間領域も室内空間として機能させる住まい方が住空間を豊かにしています。

沖縄美ら海水族館は、海洋博公園内の水族館です。海洋博の跡地はとても広く、琉球王国時代の沖縄の村落を再現した「おきなわ郷土村・おもろ植物園」もここにあります。

高床の穀物蔵

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