Galleria degli Uffizi

Museum

ウフィツィ美術館(伊: Galleria degli Uffizi)は、イタリアのフィレンツェにあるルネサンス絵画で有名な美術館で、1591年より部分的に公開されており、近代式の美術館としてヨーロッパ最古のものの1つです。建物は、初代トスカーナ大公コジモ1世の治世下、ジョルジョ・ヴァザーリの設計で1560年に着工し、1580年に竣工したフィレンツェの行政機関の事務所がもとになっています。

アルノ川に面した川沿いの砂地に建築されており、基底部分は世界最初のコンクリート工法とも言われています。なお、コジモ1世とヴァザーリはともに1574年に没しており、建物の完成はコジモ1世の跡を継いだフランチェスコ1世と建築家ベルナルド・ブオンタレンティ(1536-1608)に引き継がれました。

コジモ1世は、住まいであったピッティ宮殿から、ヴェッキオ橋の2階部分を通り、毎日通う庁舎(現・ウフィツィ美術館)へ至る約1kmの通路(ヴァザーリの回廊)も造らせました。これもヴァザーリの設計で、1565年に半年足らずの工期で完成したそうです。回廊の中には700点を超える絵画があり、中でも肖像画コレクションは有名ですが、ウフィツィ美術館本館とは別の扱いとなっていて、見学にも別の予約が必要となります。

この事務所は、コジモ1世が当時あちこちに分かれていたフィレンツェの官庁をひとつの建物に収めさせたもので、建設時には周辺の一区画をすべて取り壊して建築が行われました。「ウフィツィ」 Uffizi の名はイタリア語の ufficio の複数形 uffici (英語の offices (オフィス) にあたる)の異綴に由来しています。

美術館の建物は、ドーリア式の回廊の上に2階、3階部分が建設されたルネッサンス様式の建築物で、全体としては巨大なU字型をしています。基本的にメディチ家歴代の美術コレクションを収蔵する美術館で、イタリア・ルネサンス絵画の宝庫です。展示物は2,500点にのぼり、古代ギリシア、古代ローマ時代の彫刻から、ボッティチェッリ、レオナルド、ミケランジェロ、ラッファエッロらイタリア・ルネサンスの巨匠の絵画を中心に、それ以前のゴシック時代、以後のバロック、ロココなどの絵画が系統的に展示されています。

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