バルセロナ現代美術館(Barcelona MACBA)は、当時治安が悪化していたバルセロナの最も古い通りや建物が位置するラバル地区とエンゼルス広場にバルセロナ市議会が決定した「博物館計画」が基となり、1987年にMACBA財団が設立、翌年、MACBA財団はカタルーニャ知事とバルセロナ市議会と協力して、博物館のプロセスを促進するためにMACBAコンソーシアムを設立して計画されました。
バルセロナはガウディだけではありませんが、街をうろついていると幾度となくガウディ建築も前を通ることとなり、モデルニスモを見ても曲線とタイルばかりで、違うものを見たくなります。そんな中20世紀的な、ミースのバルセロナパビリオンや磯崎新の仕事はとてもモダンに見えてきます。
バルセロナ現代美術館の設計は、米国の建築家リチャード・マイヤーです。リチャード・マイヤーの「白」について、強くモダンを感じるのもバルセロナならではの感覚です。
リチャード・マイヤー(Richard Meier, 1934年10月12日 – )は、ニュージャージー州ニューアーク生まれ。「白」の使用がトレードマークで、ル・コルビュジエの作風に最も近い建築家の一人とされています。世界的に見ても、槇文彦・谷口吉生などと並び、純粋なモダニズム建築家として知られています。1957年にコーネル大学で建築学の学士号をとった後、SOMで短期間働いた後、マルセル・ブロイヤーの下で3年間働き、1963年に自身の事務所を構えました。
1969年にニューヨーク近代美術館で行われたアーサー・ドレクスラー企画による純粋なモダニズムの建築家5人を特集した展覧会で取り上げられ、この展覧会を元にした1972年の書籍『Five Architects』によって「ニューヨーク・ファイブ」というモダニズム建築家グループの一員と見られるようになった。マイヤーのほかには、チャールズ・グワスミー、ピーター・アイゼンマン、マイケル・グレイブス、ジョン・ヘイダックがこのグループに含まれている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%BC
バルセロナ現代美術館は、1992年の夏季オリンピックの開催に合わせて開館する予定でしたが、設計時に、どういった現代アート作品を最終的に展示するのか決まっていなかったため、設計は困難な作業であったといいます。結局1992年には開館できず、3年後の1995年に公開されました。
計画地は、当時治安が悪化していたバルセロナの最も古い通りや建物が位置するラバル地区でしたが、美術館前の広場はスケボーのメッカで、若者がたむろし、他の地域とは一味違った雰囲気があります。
内部は、光のあふれる大きな吹き抜け空間にスロープが空中を飛んで、各階の展示室を繋いでいます。大きな白い吹き抜け空間がバルセロナではとても新鮮に感じられます。