那覇市本庁舎 2012

Architecture

沖縄美ら海水族館(2002)と同様に、(株)国建(こくけん)の名誉会長で建築家の國場幸房(こくばゆきふさ)氏の設計。國場幸房氏は早稲田大学建築学科を卒業後、大高建築事務所を経て1967年に国建に入社。戦後の沖縄を代表する多くの建築に携わってきた建築家です。2015年7月のタイムス住宅新聞の取材で「建物の形はその空間から生まれてくるもの。風土に合ったものをつくりたいと考えている」と語った國場幸房氏は、自身の建築を「光と風の建築」と呼んでいます。

平角状の柱が影を作る方向に広幅を配し、風を通す方向に狭う幅を向けて、全体として軽快な「面格子」を構成しています。風を通しながらも建物に影を落として、庁舎内部を涼し気に包み込んでいます。また、手摺をワイヤーメッシュでデザインした植物を這わせるための仕掛けが外皮を覆い、フクキのヘッジのように緑が成長することで森に包まれるような効果が得られます。

亜熱帯庭園都市・那覇のシンボルとなるよう計画された庁舎は、ひな段状の屋上庭園を設け、緑化ルーバーを建物外周部に施した。深い庇とルーバーで採光と通風を確保。屋内から見える緑陰により、利用するすべての人が安らげる庁舎を目指した。同氏は、自宅の屋上で植物を育ててワイヤメッシュにはわせる実験をし、緑化ルーバーを提案したという。

https://sumai.okinawatimes.co.jp/commons/building/detail/3008

國場幸房(こくば・ゆきふさ)さんは、2016年12月24日午後2時24分、自宅で死去されました。77歳でした。

1939年生まれ。63年に早稲田大第一理工学部建築学科卒業後、1967年に国建に入社。沖縄での高層建築の先駆けとなった国場ビル(70年)をはじめ、大胆で緑豊かな吹き抜けが特徴的なムーンビーチホテル(75年)、那覇市民体育館(86年)、パレットくもじ(91年)、県公文書館(95年)、宮古空港新ターミナル(97年)、世界最大級の水槽を持つ海洋博記念公園沖縄美ら海水族館(2002年)、那覇市役所新庁舎(2012年)などの設計を手掛けた。ムーンビーチホテルは2002年、日本建築家協会(JIA)の「JIA25年賞」を受賞。パレットくもじは1992年にAIJ(日本建築学会)霞が関ビル記念賞に輝いた。県公文書館は95年に日本建築士事務所協会連合会(日事連)建設大臣賞、96年に日本建設業協会のBCS賞を獲得。美ら海水族館は2006年に公共建築賞特別賞を受けた。県内初のJIA名誉会員。

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-417655.html

國場幸房さんが、2005年4月27日沖縄建設新聞に、「大高事務所での体験」を寄稿しています。

http://www.kuniken.co.jp/kenchikukiden/pdf/page04.pdf

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