カタルーニャ音楽堂は建築家リュイス・ドゥメナク・イ・ムンタネー(Lluís Domènech i Montaner)によってモデルニスモの様式で設計されたコンサートホールです。1905年から1908年にかけて、カタルーニャ・ルネサンス(文芸復興運動)において指導的役割を果たした合唱団、ウルフェオー・カタラー(Orfeó Català、1891年設立)のために建設されました。建設にあたってはバルセロナの篤志家たちの財政支援も受けている。この音楽堂の建設によりドメネクは1909年にバルセロナ市より賞を受けました。
モデルニスモとは、19世紀末から20世紀初頭にかけてスペインを中心に流行した芸術様式を指します。 クラシックとモダンの融合、西洋と東洋美術の折衷、大胆な曲線などに代表される様式で、 曲線の使用や華やかな装飾性などアール・ヌーボーの特徴を持つことからカタルーニャ版アール・ヌーボーと呼ばれることがあります。
リノベーションされたエントランスは、オリジナルのファサードをガラスで包み込みデザインです。モデルニスモの装飾は音響効果に悪影響を与えていると言われています。
世界遺産にも指定されている優雅で歴史ある音楽堂ですが、設計が古いこともあり現代のコンサートホールには考えられないようなことが幾つかあります。その一つ目として、装飾に重きを置いたために全くステージが見えない席や、見えても半分ほどと言う席が安い料金のゾーンに存在します。
次に、よく指摘される事としてこの音楽堂は音があまり良くないという事。理由は音の響きを全く考慮しない過剰なほどの装飾などが悪影響を音に与えているから他ならず、バルセロナにある近代的なホールL’Auditoriと聞き比べるとその差は歴然となります。
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