「モンセラート」は、カタルーニャ語では、ムンサラートまたはムンサラーと呼ばれ「ギザギザな山(のこぎり山)」という意味があります。その名称は、遠くからも見ることができる山肌の形状に由来しています。地質学的には、ピンク色の礫岩などの堆積岩によって構成されています。
のこぎり山を意味する名のとおり、この奇岩群は、ガウディのサグラダ・ファミリアの発想の源にもなったと言われています。ここに、「黒い聖母子像」で有名なベネディクト会のサンタ・マリア・デ・モンセラートという名前の修道院があります。一角に、モンセラット美術館もあります。
モンセラートは、スペインのガリシアのサンディアゴ・デ・コンポステーラと並ぶ二大聖地として、古くから多くの信者を集めてきた地です。
伝承によれば、西暦880年のとある土曜日のこと、岩山から強い光が放たれているのを羊飼いたちが見つけた。その後も土曜日になると繰り返し強い光が見られたため、光をたどってみたところ洞窟の中で聖母子像を見つけた。現在では「黒いマリア像」(Virgen de Montserrat)と呼ばれている聖母子像であるが、重すぎで運べなかったため、岩山の山中に大聖堂が建立されたとされる。スペイン独立戦争の際、修道院はフランス軍の侵略を受けた。現在の修道院は19世紀の中頃に再建されたものである。地方の自治が否定されたフランコ政権下にあってもモンセラートではカタルーニャ語によるミサが続けられたことから、モンセラートは中央集権に抵抗するカタルーニャの象徴となった。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%88
「黒い聖母子像」にお参りできるのは、一時に1名だけです。信者と観光客は、おとなしく列に並んで順番を待ちます。階段室はモザイク画で飾られて、並んでいる時間も飽きることなく過ごせますが、なかなか順番は回ってきません。