Schuco No.1050

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1934年 W25;メルセデス・ベンツの常勝GPマシン「シルバー・アロー」この年、イタリア及びスペインGP等でも優勝し、翌1935年には7つのGPを制覇した名車です。なぜシルバーになったかについて面白い話があります。昔のF1レースは出場国のナショナルカラーでボディ色が決められていました。イギリスはグリーン、イタリアはレッド、フランスはブルー、そしてドイツはホワイトでした。しかし、1934年のグランプリレースは規則が大幅に変更され、車両の総重量をそれまでの半分程度の750kg以下に抑えなければならなくなりました。

1934年 W25

メルセデス・ベンツは新規則に合わせてW25を開発。このクルマも当然、ナショナルカラーの白を塗装していましたが、デビューレース前日に規定重量を1kgオーバーしていることが発覚し、苦肉の策としてボディを覆っていた塗料を落とし、アルミの地肌をむき出しにして走りました。

土壇場の減量はみごとに成功しました。車体のフレームなどを徹底的に軽量化したおかげで大排気量高出力の3.3ℓ・V8スーパーチャージャー付きエンジンを搭載したW25は、デビュー戦で勝利を挙げました。このエピソードが元になり、メルセデス・ベンツのレーシングカーは「シルバーアロー」と呼ばれるようになりシルバーはドイツのナショナルカラーになりました。

Schuco No.1050 は、ゼンマイ仕掛けのブリキのおもちゃですが、素晴らしいことに、デファレンシャルギアを搭載しています。車の左右の車輪は、独立して回転します。ハンドルを回すと左右の前輪がその方向に進み、カーブを曲がります。同軸上にある左右の後輪もカーブを曲がるときに前輪と同じように進みます。前輪も後輪も、カーブの内側と外側では距離が変わり、外側の方が僅かに長い移動距離となり、左右の車輪に速度差が生じます。このとき、左右の両輪にエンジンからの力を伝えつつ、カーブの内側と外側の速度差を吸収し、スムーズに曲るようにするのが、デファレンシャルギア(差動装置)の役割です。子供のおもちゃにも手を抜かないのがドイツです。

Schuco No.1050

ブルーはフランスです。ドイツの③とフランスの⑨を持っています。しかし、形には色があると思うと、やはり1934年 W25;メルセデス・ベンツは「シルバー・アロー」とおうことになります。

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