Parc Güell 人工地盤

Architecture

タウン(グエル公園新興住宅地)全体の土地は広大なだけでなく急激な斜面にあり、ニュータウンへの入口を複数設けることが必要でした。タウンの最も低い部分に設けられた正門は、それ以前にこの土地の所有者であった侯爵の家に行くために利用されていたアプローチです。

この正門に、ガウディは、2軒の魅力的な門衛所と大階段を造りました。装飾にあふれた庭園状の大階段は大きなポルチコ(多柱式建築のホール)につながります。この多柱式ホールは、市場が開催されるように設計されていました。買い物に出かけるのではなく、市場がタウンにやってくる構想でした。

ホールの屋根の上は、バルセロナ市を見渡せる展望広場となっています。セラミックのトレンカディスで装飾された組み立て式コンクリート製の波打つベンチに囲まれています。ここは円形劇場になり、観劇を楽しむことができる予定でした。市場の開催される多柱式ホールの屋根が人工地盤となって「展望広場」を構成します。「展望広場」は、グエル公園の宅地造成における土木事業的な遺産です。

人工地盤に降った雨は、バルコニーの先端に付けられた吐水口から下にあふれ、大きなポルチコ(多柱式建築のホール)の下にある「雨水貯留槽」に集められオオトカゲの口から噴水しています。

ガウディは、それぞれの敷地の場所の特徴を魅力的な方法で利用しています。 勾配のある山の地形を慎重に研究し、それぞれの家に便利なように道や橋の経路を考案。それに合わせた掘削等は影響を最小限に抑え、景観に適応した最適な方法で開発を進めています。

人工地盤によって、使える平らな土地を増やしながら、その下に雨を避けて移動することのできる、アーケード状のパス(歩行者動線)をつくっています。ガウディが自然から学んで創り出した、柱列は自然と一体となって、鍾乳洞や洞窟のような表情を見せるため、つい人工的に作られていることを見失います。

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