初めて行った時には、ろくに下調べもしないでバルセロナから電車で「コロニアグエル教会」を目指しました。難なくたどり着きましたが「修復工事中」で現場っぽく閉ざされていて、仮囲いの隙間から覗き込むことしかできませんでした。
コロニア・グエルは、ガウディの良き理解者だったスポンサー、グエル伯爵の事業のひとつだった繊維工場を中心にした工業団地です。その工場で働く労働者たちが職場近くに住めるように、敷地内に住居や学校、病院なども作られ「コロニアル」を形成していました。
この団地の礼拝堂として「コロニアグエル教会」が建てられました。礼拝用の椅子はいかにもガウディ設計という感じの特徴的な形をしています。ガウディは、設計当時、材料は安価なレンガで設計しようとしていましたが、塔を支える柱は相当な荷重がかかるので硬質の玄武岩が使用されました。また、階高が取れないところでは、鉄骨梁が使われていますが、この建物は、計画が中止になり、ガウディは、サクラダファミリアの専任建築家になったため、未完のまま建っています。
コロニアグエルの町には、煉瓦造の建物がいくつもあります。
スペインでは、どの町にも「インフォ」はありますが、コロニアグエルのインフォは他と違って、ガウディの「コロニアグエル教会」のインフォメーションセンターのように機能しています。
インフォメーションセンターに入ると、未完の「コロニアグエル教会」の懸垂模型があります。床面が鏡貼りになっていて、覗き込むと、複数の塔が立ち上がった完成予定の姿を虚像で見ることができます。
展示は、ガウディが「コロニアグエル教会」の建設に使った材料が「リサイクル材」であったことを示していました。セラミックのトレンカディスをはじめ、レンガ工場のスラッグ、解体されたレンガの窯を構成していたレンガ、グエル伯爵の繊維工場で廃棄される機械部品などがそれです。