The Work of Frank Lloyd Wright 1925

Books

Frank Lloyd Wright :” The Work of Frank Lloyd Wright ”
Great Wendingen Edition, Holland, 1925
Reprinted by Horizon Press, 1965

ライトの「ウェンディンゲン版」作品集は、フランク・ロイド・ライト(1867-1959)の中期の作品集で、オランダの ウェンディンゲン社から出版されたため、ライトの「ウェンディンゲン版」作品集と呼ばれます。オリジナルが出たのは 1925年です。サイズが大きく(34×33cm)、また豪華であり、ほとんど稀覯本になっていたため、40年後の 1965年に、アメリカの ホライズン・プレス社が復刻版を作りました。

これは オリジナルに忠実な、生地のキャンバス装の厚表紙にしたばかりか、オリジナルにはなかった 函入りとしました。そして本文は すべて片面印刷の袋とじに しています。これはライトの注文であったらしく、両面印刷だと 裏が透けて見えてしまうのを避けるためであったでしょう。紙の量は両面印刷の場合の2倍になってしまいますから(しかも、やや厚手の紙を使っています)かなり重く(函を含めて 3.2kg)普通の製本をしたのでは すぐに背が壊れてしまいそうなので、厚い堅牢な背表紙に 緊密に綴じ合わせ、表紙が十分に開けるように、当初から 強い折れ目(溝)を作っています。

「袋とじ」というのは、明治時代に洋本の製本法が普及するまで 日本の和本で行われていた綴じ方です。ライトは 終生 日本の文化を愛しましたから、和本の綴じ方を 採り入れたのかもしれません。これに ゆったりと写真、図面、テキストを配して、当時としては かなりの豪華本にしました。復刻版が出たのは、すでにライトが世を去った 1965年ですから、もう、ほぼ半世紀前ということになり、復刻版自体が 結構 古書になっています。

http://www.kamit.jp/15_kosho/15_wright/wright.htm

ライトの作品集については、芸大の先輩、神谷武夫さんが、HPに詳しく紹介しています。

「フランク・ロイド・ライト作品集」(古書の愉しみ 15. ヴェンディンゲン版)| 神谷武夫 | 
「古書の愉しみ」 第 15回として、ヴェンディンゲン版 『フランク・ロイド・ライト作品集』 を採りあげる。


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