「御願」は沖縄では「ウグヮン」になります。「御願ハンドブック」をいちきんから貰いました。いちきんは友人の編集者です。沖縄の暮らしを彩る年中行事に必要なヒヌカン(火の神)御願(ウグ ヮン)について、その準備の仕方や意味を、わかりやすくまとめたハンドブックです。出版社は(有)ボーダーインク、初版発行2006年7月1日、第十七刷発行 2022年2月10日、印刷所は「でいご印刷」のベストセラー本です。
沖縄では、お墓や、民家を見るたびに、その方位や構成を観察していました。「御願ハンドブック」には、年中行事や方位にからむ秩序が説明されていて、沖縄を知る一助となります。
行事は全て旧暦で行われます。ご存じのように、旧暦の1日は新月で15日は満月、旧暦には1か月が29日の(小の月)と30日の(大の月)があり、1年で新暦よりも11日弱分短くなるため、その調整に1年が13か月の年があり、この余分な1月を「ユンヂチ」(閏月)といいます。二月が二回あったり、七月が二回あったりします。このようなときは月例行事は前の月の行い、後の月は「捨て月」と言って、お墓の新築や位牌や仏壇を新しくしてもよいと言われています。
二十四節季は、太陽の1年を24等分したもので、琉球王朝から旧暦に取り込まれていました。二十四節季は、一年の自然のサイクルです。お彼岸や植物に関わる農業的な作業スケジュールも、太陽の秩序から見るとわかりやすくなります。
12の動物があてられ、12年で一周する干支も重要な役割を持っています。普段の御願のときにも、何歳とは言わず、生まれ年の干支を言ってから御願をするそうです。干支は年だけでなく、日にも配されています。「みずのえね」とかになります。日取りを見るときにこの干支が重要になる場合があります。また方位にも干支が当てられています。
ヒヌカン(火の神)は台所に祭られている神様ですが、他にも屋敷には神様が沢山います。床の神、戸柱の神(トウファシラヌカミ)、フールヌカミ(便所の神)、屋敷の神、ウジョ―ヌカミ(御門の神)、ヤーヌカミ(家の神)、ナカジン(中陣)などが紹介されています。
上記をまとめながら、沖縄に限らず、このことは日本の文化として日常生活の中に似たような秩序があったことを思い出しす。大陸から伝わり、伝言ゲームのように少しづつ変化しながら日本各地に伝わったことも多いと思います。