ルイジアナ近代美術館(Louisiana Museum of Modern Art)はエーレスンド海峡の近く、デンマークのコペンハーゲンの北約35kmにある美術館。邸宅を改築して美術館にしているものです。
絵画、彫刻、ビデオ、インスタレーションなど多くをコレクションしていますが、その中にはロイ・リキテンスタイン、アンディ・ウォーホル、アンゼルム・キーファー、パブロ・ピカソの作品も含まれています。また、美術館の2つの棟の間には彫刻の庭があり、ヘンリー・ムーア、アレクサンダー・カルダー、ジャン・アルプなどの作品が置かれています。
「ルイジアナ近代美術館」という名前はこの建物の最初の持ち主であったAlexander Brunにちなんで名づけられています。彼は3度結婚しましたが、どの妻の名前もルイーズでした。
ルイジアナ美術館は、しばしば「世界一美しい美術館」と呼ばれますが、世界一美しいスタバ、世界一美しいマクドナルドのようなもので、素晴らしいロケーションに恵まれ、周辺環境と一体化した空間の中に、アートがそれぞれ居場所を与えられているという総合的な芸術空間です。
建築は、Jorgen Bo (ヨルゲン・ボー), Vilhelm Wohlert( ヴィルヘルム・ウォラート)が共同で設計したものです。両者はともにミッドセンチュリーの家具デザイナーとしても著名です。
彼らは「風景にとけ込む」ことを第一のコンセプトとして設計しました。海にロケーションが開けた、全体に緩やかな傾斜を持つ広大な敷地に増築に増築を重ねた邸宅そのもので、住宅としてみると、ところどころにとんでもないスケールアウトした空間が登場しますが、美術館だと思えばそれなりで、中庭にヘンリー・ムーアを置くような邸宅であれば、ありそうな感じもします。
斜面のデザイン、レベルのつなぎ方、回遊しながら変化する外との関係の見せ方など、世界に一つしかないこの場所の切り取り方と「風景」感心します。