ブダペスト地下鉄3号線の建設計画は1963年に発足し、建設は1970年から始まりました。そして、1976年から先行開業され、最終的には1990年に全長16.5km、20駅に及ぶ南北縦貫の路線になり現在に至っています。地下鉄西駅は北から8番目の駅になります。
地下鉄が地下ではなく地面に露出することはよくあります。ブダペスト地下鉄3号線も南の終点ケーバーニャ・キシュペシュト駅では地上を走っています。一方町中では、地面の下を走ってこその「地下鉄」ですが、ブダペスト地下鉄3号線の西駅はとても浅いところにあります。
地下鉄のホームの天井は、逆かまぼこ型のPC版のように見えますが、この直ぐ上が道路面になっていてそこを地上の車が走っています。道路に溝を掘って線路を敷設した後、蓋をして道路にした感じのモノです。東京の地下鉄はかなり複雑で高度な技術を要して実現していると思いますが、後から作られる路線ほど地下深くルートを設定しなければならず、日本一深い大江戸線六本木駅の地上から地下のホームまでの深さは、2番ホームまでが32.8m、1番ホームまでは42.3mにも及びます。
ブタペストの地下鉄の歴史は古く、1896年に開業した1号線は、世界でロンドン、イスタンブールに次いで3番目、ユーラシア大陸では2番目に営業を開始した地下鉄です。また、ロンドンの地下鉄は蒸気機関。イスタンブールの地下鉄は地下ケーブルカーだったため、電気運転の地下鉄としては世界初の地下鉄になります。
ブタペストの地下鉄は、地下鉄として唯一世界遺産に登録されています。なお、世界で2番目、ユーラシア大陸初の地下鉄はイスタンブールで1875年に開業したテュネルですが、地下ケーブルカーという特殊な方式で、走行距離も短いため、ブダペスト地下鉄1号線がユーラシア大陸初の地下鉄であると紹介されることが多いと聞きます。