マサンスの老人ホーム(Home for Senior Citizens)は、ズント―の1993年作品です。クール地方の豊かな自然に囲まれた静かな空間です。石(トラバーチン)と木とガラスで構成されていて、暖かさを感じることができる建物です。
緩やかな勾配の傾斜地に建っていて北側の斜面上部からアプローチします。斜面の関係で南側は地面から浮いているようになっていて、主開口部の前に歩道がありますが、プライバシーを覗き見たりする感じがなくて安心感があります。
石材は固くて重く、柔らかくて弱い人体とは比べ物にならない不滅感はありますが、木はエージングによって、気候風土になじんで溶け込んでいく柔軟さを持ち合わせていると思います。