Finlandia hall 1971

Architecture

「フィンランディア・ホール」は、1700人収容のコンサートホールと国際会議場を兼ねた文化施設です。アアルトが手がけたヘルシンキ中心部の再開発計画で、唯一実現を見た建物です。

アアルトの「ヘルシンキ都市センター計画 」では、トューリョ湾の水辺に、フィンランディア・ホールを基点として幾つもの公共建築 (会議場、オペラハウス、美術館、図書館等) が建ち並ぶ計画でしたが、この「フィンランディア・ホール」しか実現しませんでした。

ALVAR AALTO “The Complete Work” Ⅲ New Centre, Helsinki Plan 1959-1964

外壁には、イタリアの白いカッラーラの大理石が使用されています。ミケランジェロが彫刻した大理石です。アアルトはイタリアのトスカーナが好きだったようです。大理石の外壁材は、一枚一枚「むくり」が付いていて、編み上げたような独特の表情を見せます。

アアルト夫妻は1924年に結婚。新婚旅行は1ヶ月半の間、イタリアを旅しました。
ふたりは地中海の温暖な気候の中で、イタリアの文化や様々な様式の建築に触れ、強いインパクトを受けたといいます。「私はいつも、心の中でイタリアを旅する」とアルヴァは語り、最も印象に残ったトスカーナ地方のように「ヴァスキュラを北のフィレンツェにしたい」と野心を燃やしたそうです。自邸のダイニングにある木彫の椅子は新婚旅行のイタリアで購入したもの。イタリア行きを決めたのは、アイノの強いリクエストがあったからだといいます。

http://fika10.com/2020/finland/fi_02_2.html
https://fika10.com/2020/finland/fi_02_6.html

キャノピーが深く水平が協調されていて、オーディ―のヴォリュームは宙に浮いているかのように感じられます。その深く低いキャノピーの奥にエントランスがあります。キャノピーの下の空間は、かまぼこ型の濃紺のタイル(アアルトタイル)が縦張りにされています。

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