Villa Le Lac 1924 Inside exterior

Architecture

コルビジェは「母の家」のスケッチをポケットに持っていて、それにふさわしい土地を探していました。計画は敷地をロケハンして、世界にひとつそこにしかない環境を読み取り、空間を切り取る作業ですが、作りたい空間が先にあって、それにぴったりの、世界でただ一つの場所を探しあてるのは難しい仕事だと思いますが叶いました。この家の中心は、レマン湖に向かって大きく広がる窓です。

玄関ドアのノブがど真ん中に付いています。欧州ではよく見るタイプですが、バックセット400㎜の仕掛けはドアの後ろに閂状に錠を解放する仕掛けが必要です。いつかやって見たいと思っている仕掛ですがチャンスがありません。敷地内に入ると玄関ドアの前から、猫の玄関がへのステップが見えます。

Villa Le Lac
Villa Le Lac

地下室の明り取りが地面際に見えています。この家には西側に地下室があって、その容積がレマン湖の水位の変化によって受ける浮力が変化するため、地下室のある部分とない部分の間に亀裂が入ってしまい、そのクラックの寸法が水位の変化に呼応して変化するという事故が起きます。外壁の横波のアルミ板はそれを隠すための化粧です。

南面のアルミパネルは、横長の窓と一緒にレマン湖に向けたこの家のファサードを作ります。

「母の家」は、幅4m、長さ16m、延床面積は約60㎡ほどの小さな家ですが、その16mの長さの壁に、11mの長さの連続窓があります。

レマン湖の景色を切り取り、東から西へ移動する太陽を見ながら、外が明るければ日中は照明の必要ない明るい空間です。

窓の上にはシャッターボックス上の小庇があって上部はパラペット状になっておるのだと思いますが、水抜きパイプが出隅に付いています。

Villa Le Lac Section

東側はゲストルームになっていますが、この家で一番最初に日が差す場所になっています。コルビジェ曰く、ゲストは早く起きなければいけないということで、朝早くからとても寝ていられないくらい明るくなる部屋が東側にあります。

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