レマン湖に面した壁には長さ11mの水平連続窓が設置してあり、明るい自然光と、湖の美しい風景の両方を室内に取り込んでいます。湖の向こう側にはアルプスが見えます。
「母の家」の基調色は白色ですが部屋毎にアクセントカラーが使われています。月とルームでは、藍色と臙脂色です。東側のハイサイドライトの明かりが入る日中は、写真のイメージですが、夜になるとシックな色彩が違う効果を現すと思います。メインの洗面所や浴室に行かなくても、簡単な洗面器が仕込まれています。
玄関を入ってすぐの部屋は、パステルカラーの淡緑青色です。そしてベッドルームは、日本の伝統色でいう「虹色」を感じるピンクです。ル・コルビュジエは、既に「レスプリ・ヌーヴォー」を創刊していて、レマン湖畔の小さな家でも壁面にピュリスムらしいパステルカラーを使用しています。
左は、パリの「ラ ロッシュ ジャンヌレ邸」ですが色使いに似たものを感じます。なんとも言えない色ですが、日本の伝統色には、的確にこの色をいいあてる名前があります。青系は「白藍」「瓶覗」「秘色色」、赤系は「赤褐色」「茶褐色」「栗皮茶」に近いですが、
くりかわちゃは、#6d3c32
かめのぞきは、 3a2d7dd
と示すとパソコンには伝わります。
「母の家」の中心である長さ11mの窓は、2本のコンクリ―詰めの鉄パイプで支えられています。
自然光で過ごせる家として活躍しているのがこのトップライトです。南側の開口部から遠い水廻りに天空光を届けています。