Gugalun house 1994

Architecture

ピーター・ズントー(Peter Zumthor, 1943年4月26日 – )は、スイスの建築家。日本ではピーター・ズントーと呼びますが、ペーター・ツムトーアという転写が本人の母語であるドイツ語の発音により近いそうです。みすず書房から出版された「建築を考える」(訳 鈴木仁子)では、ペーター・ツムトアとなっています。「建築を考える」 によると、著者略歴は以下です。

1943年スイス、バーゼルに、家具職人の息子として生まれる。父の元で家具職人の修業後、バーゼルの工芸学校(Kunstgewerbeschule Basel)とニューヨークのプラット・インスティチュート(Pratt Institute)で建築とインダストリアルデザインを学ぶ。その後10年間、スイス、グラウビュンデン州で史跡保護の仕事に携わる。1979年よりハルデンシュタインにアトリエを構える。ハルデンシュタイン在住。

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グルガンハウスは、ヴェルサムにある小さな家の増築です。平らなところがほとんどない山間に、窓の小さい、重そうな気の家が沢山あります。使われなくなった古い家を都会の人が手に入れて手直しをして週末住宅に使うというようなスタイルが見受けられます。冬は厳しそうですが夏はさわやかに避暑を楽しめそうな気候を感じました。

gugalun house 1994

既存部分は、その時代の木造構法で建てられています。寒冷地では、表面積を少なくして開口部を小さくすることが得策で、木の塊で作るログハウスは気密も取りやすかったでしょうし、熱容量も大きいので暖かくするのは大変でしょうが一度温まればすぐには冷えなかったと思います。そこにズントーは、今の木造技術で、空間を増殖しました。

gugalun house 1994

断熱材を充填して外を木材で覆いつくられた細長いブロック状の部品をプレファブして現地で積み上げたのではないかと思いました。断熱材のなかった時代の木の塊に、今の技術で「性能」を担保した木の塊を接続して構成しています。

既存のログを積み重ねたテクスチュアは、新しい木のブロック毎に取り付けられた水切り状の水平材が受け持ち、水切りの効果で、既存ほどマッシブではない新しい外壁板は、その風化の速度を遅くしています。未だ、増築部分の木材の新しいさを感じますが、30年も経てば、同化してひとつの塊になると思いました。

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