復活の礼拝堂 1941

Architecture

復活の礼拝堂は、エリック・ブリュックマンの傑作と言われている建築です。ブリュックマンは、アアルトが1927年に設計事務所を構えたトゥルクで、一緒にやっていた建築家です。この建築は「北欧ロマンチズムの頂点」と本に書かれているほどの建築。墓地の中にあり、火葬場機能も含んだ礼拝堂です。この墓地には、他に「聖十字の礼拝堂(1967年)」もあります。

会衆席は祭壇に正対することなく、それぞれが祭壇との距離を測りながら自由に過ごすことができます。祭壇の壁には十字が設置され、それに蔦が這い上がる粗いテクスチュアの壁に、祭壇の右手斜め上から光が差し込んでいます。

祭壇に向かって左手の壁には、十字と月や星、太陽を思わせる抽象的な形が浮き彫り(凹型)にされていて、礼拝堂の中の優しい光に模様を与えています。この壁には構造の柱型を感じさせる段差がついていて祭壇に向かうリズムと、空間の秩序を明確にしています。

祭壇に向かって右手は外に出ることができるピロティ―状の空間になっていて、壁面に隠れていた構造が丸柱となって表れています。ちょうど教会の側廊のように機能する空間になっているようですが、外につながり、外の明かりが見える様子が、礼拝堂を優しい空間にしていると思いました。

タイトルとURLをコピーしました